2004年度 弊社新聞掲載記事紹介


2004年12月13日(月) 日本流通新聞掲載
日本物流研究会 3PLのメリット強調
J&Kロジの原社長が講演


 第百八十三回日本物流研究会(主催=日本流通新聞、会長=天野博克エーラインアマノ社長)の経営セミナーは七日、東京・京王プラザホテル新宿で講師にJ&Kロジスティクスの原瑞穂社長を招いて「物流企業の営業戦略」をテーマに開いた。
 原社長は福山通運の基幹情報システムの開発をはじめ、釜山港を利用した日韓合弁物流事業など多くの内外物流改善プロジェクトのマネジメントを手掛けている実務物流事業者。
 セミナーで、原社長は物流企業の今後の営業戦略について、「3PL事業は結論から言いますと、非常に事業メリットがある。どのような規模の事業者でも始められる可能性はあるといえる。ただ、それを行うについては、さまざまな前提条件がある」として、「いま日本の購買力が上昇しているなかで、多店舗化戦略により物流コスト比率が大きな問題になっている。また、いまの自分のポジションを考えてみる事も事業の進め方や荷主の取り込み方を考えることが必要になっている」などと、中小企業にとっての事業環境の変化を詳述した。
 その概要は、@国内事業環境の変化に対応した業態別の物流課題Aそれに荷主はどのように対処しているかB3PL事業への取り組みの方向と改善事例C日韓共同3PL事業の開発のあり方---などで、その中で韓国政府の物流プレゼンテーションを紹介するとともに、自ら取り組んだ最新物流改善事例などを引き合いに解説した。(詳細は次号から連載。)
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2004年11月17日(水) 日刊運輸新聞掲載
神戸港と連携強化で釜山の機能向上図る
釜山港湾公社セミナー


 今月四日、釜山港湾公社のセミナーが開催され、荷主企業、物流企業・行政・物流ファンドなど二百三十名が出席した。
 セミナーでは、同公社社長の秋俊錫氏が、「日本の物流の効率化は、釜山港を経由した地方港の活用が有効だが、大消費地・大生産地に隣接する主要港との連携を行わなければその効果は得られない。神戸港との連携を強化することで、釜山の機能が高まる。今後、日本の主要港とは『競争』と『協調』の関係で進めたい」との意欲を述べたほか、同公社マーケティングチーム・
陳奎昊氏が「釜山港の現況や開発計画と北東アジアのHUBとしての位置付け」について、コスモスマリタイム代表取締役・近藤良雄氏が「船社から見た釜山港利用のメリット」について、釜山・鎮海経済自由区域庁部長が「経済区域内の物流事業の支援策」について発表を行った。また、CGCジャパン取締役貿易事業部長・加藤克美氏からは、釜山港経由の物流により改善メリットを得ている立場からの説明がなされ、同氏は「『改善』を行うには多くのハードルがあるが、これらを荷主、物流企業などで共同でクリアしていく必要がある」とした。
 会場からは「神戸港との『競争』と『協調』とはどのような形態か」、「以前、港湾ストライキでスケジュールが狂って困った。HUB港としてこのようなことはないのか」などの質問が出た。前者の質問に対しては、「中国の各港と競争になることは、神戸港も釜山港も同じ。コンテナ本数の増加だけでなく、港における物流の付加価値(物流加工機能・配送の利便性)により港が収益を得る時代。この『付加価値』は一つの港だけで作られるものではなく、神戸港と釜山港の連携などによって作られる」と回答。後者の質問に対しては、「労組との『平和宣言』を今年締結した。また釜山港の取扱量の増大に伴い、労働環境も改善されている」との回答がなされた。

 また、セミナーに続く情報交換会には百五十名の出席があり、荷主企業や物流企業が活発な意見交換を行った。同時に行われた個別相談会では、荷主企業からは「実際に自社の物流の効率化を検討する際の効果の試算方法」、物流企業からは「釜山で物流事業を行う場合の政府の支援策」、釜山に投資を考えている物流ファンドからは「FTZ内での用地の取得」などについて質問が寄せられ、同公社、経済自由区域庁、海洋水産部のほかJ&Kロジスティクスがアドバイスを行った。
 なお、事務局からのアンケート結果によると、韓国を経由する物流に対するニーズは高く、「釜山経由の物流を行いたい」としている企業が三十八社あるという集計が出た。
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2004年11月15日(月) 日本流通新聞掲載
釜山港湾公社など 釜山港の利用促進へ
物流改善セミナー


 釜山港湾公社と韓国貿易センター主催の「釜山港を利用した物流改善セミナー」が四日、神戸ポートピアホテルで行われ、荷主企業や物流企業などの業界関係者二百三十名が参加した=写真。
 セミナーは二部構成で、第一部では、釜山港湾公社の秋俊錫社長が「神戸港との連携を強くすることで、釜山の機能が高まる。今後、日本の主要港とは、『競争』と『協調』の関係で進んでゆきたい」と挨拶した。
 続けて、同公社マーケティングチームの陳奎昊氏やCGCジャパンの加藤克美氏、コスモスマリタイムの近藤良雄氏らが、釜山港のHUB港としての位置づけや、船社から見た釜山港の利用メリット、経済区域内の物流事業支援策、釜山港経由の改善メリットなどについて講演。港湾ストライキや、神戸港との連携などについても参加者から質問された。

 第二部の情報交換会には、業界関係者など百五十名が出席。活発な意見交換で親睦を深めた。
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2004年11月8日(月) 物流ニッポン掲載
日本初のセミナー 釜山港湾公社
「神戸港と連携強化」 コンテナ取扱量アップ


 釜山港湾公社(秋俊錫社長)、釜山・鎮海経済自由区域庁は四日、神戸市で「釜山港を利用した物流改善セミナー」と題したセミナーを開いた。釜山港湾公社が日本でセミナーを行うのは初めて。釜山港を使う日本企業が増えつつある中、現況や今後の展望を踏まえたメリットなどを訴えた。
 マーケティングチームの陳奎昊氏らが、東北アジアでの釜山港の位置付けや現在進行中の物流プロジェクトを紹介。

 コスモス・マリタイム(東京都港区)の近藤良雄社長は、自社の取り組み事例を挙げ、「釜山港は年間取扱量が順調に拡大しているだけでなく、日本より安い賃金で同等の港湾サービスが受けられる。地理的に見ても有利な地域」と述べた。
 シジシージャパンの加藤克美取締役は、釜山港を活用するまでの経緯や物流合理化構想、条件面と運用面でのメリットなどを披露した。
 当日は荷主企業や物流企業、港湾関係者ら二百人が出席。セミナー後には情報交換会、名刺交換会も行われた。

 釜山港湾公社の秋俊錫社長は四日、神戸市で記者会見し、「今後、神戸港と連携を強化し、東北アジアでの物流合理化に努めたい」と強調した。韓国では現在、釜山新港の建設を進めており、完成すればバース数が二十一から三十まで拡大する。神戸港と協力体制を築くことで、コンテナ取扱量アップにつなげたい考えだ。
 秋氏は「釜山港の年間取扱量は昨年、初めて千万TEU(二十フィートコンテナ換算)を突破、ことしは千百万TEUに達する見通し。二〇一一年の新港完成で一層の飛躍が望める」と説明。
 また、「新港の後背地に三百万平方bの物流団地も造成する。日本の物流企業を中心に、メーカー、流通企業へ積極的な誘致活動をしていきたい」と語った。
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2004年11月8日(月) 日刊海事通信掲載
「釜山港を物流基地として利用を」
釜山港湾公社、神戸で物流改善セミナー


 釜山港湾公社と釜山・鎮海経済自由区域庁による「釜山港を利用した物流改善セミナー」が4日、神戸市内のホテルで開かれ、コンテナ30バースを整備する釜山新港の開発計画や、直背後に建設する物流団地の整備計画などを説明、特に破格な賃貸料と税制面の優遇などを目玉とする同団地への日本企業の進出を呼びかけた。

 港湾公社によると、釜山港のコンテナ貨物取扱量は2002年にトランシップ貨物425万TEUを含む1,041万TEUを記録し、03年は1,120万TEUに達するものと予想。このうちトランシップ貨物は昨年1〜9月で対前年同期比24%増を示し、とくに日本国内とは60港と結ばれ充実する日韓のフィーダーサービス網を強調した。さらに、トランシップ貨物を対象に「年間取扱量が3%以上または3万TEU以上増加」に対する港湾施設使用料のインセンティブ制度の導入や、入出港料の100%免除を実施していることを紹介した。
 新港は、現在の釜山港から約25kmの位置に約9,000億円をかけて建設されている一大コンテナターミナル。05年末と06年末に各3バース完成予定で、最終計画では2011年の完成を目途に計30バースを整備、約800万TEUの能力アップを見込んでいる。
 物流団地は新港北側約307万uに新港建設と合わせ、2012年完成を目途に整備されているもので、このうち約120万uは11月に自由貿易地域(FTZ)に指定の運びとなっている。このうち1次開発7万uは06年1月から、2次開発42万uは07年1月からそれぞれ入居が可能。FTZの指定により税制面では関税が免除されるほか、法人税や所得税が3年間100%免除される。また、賃貸料は45円/uと破格な料金に設定されている。
 セミナーでは、高麗海運(KMTC)の日本総代理店を務めるコスモス・マリタイムの近藤良雄社長が船社側から見た釜山港利用のメリットについて「安価な港費や24時間サービスの充実などハブ港としての条件が揃っている」と強調。また、日本国内でスーパーマーケットのチェーン店を展開するCGCジャパンの加藤克美取締役が、実際に釜山港を物流拠点として利用するメリットについて「従来の主要港から消費地に近い地方港利用への変更で物流コスト削減、納期短縮につながっている」と効果を説明した。
 公社の秋俊錫社長は「昨年の釜山港での港湾ストも今年4月に政府と労使で平和宣言を締結し、今後はこうした事態は起こらない」と強調するとともに、「新物流団地は安価な賃貸料と税制面での優遇措置を講じており、釜山港を物流基地として活用していただきたい」と日本企業の進出を働きかけた。
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2004年11月8日(月) 海事プレス掲載
釜山港湾公社の秋社長、優遇策など強調
物流団地、特に日系企業進出に期待
港間競争は経費でなく付加価値サービス


 釜山港湾公社(BPA)の秋俊錫社長は先週4日、神戸市内で記者会見し、釜山新港の背後地に整備中の物流団地(307万u)について、「とりわけ日系の物流企業進出に期待する。年間賃料は45円/uで、上海などの物流ゾーンに比べて10分の1以下だ。さらに関税の免除や法人税減税などの優遇措置を設けている」と強調。また、神戸港が港湾コストの削減に取り組んだ場合の釜山港の対応に関する質問に対し、秋社長は「さらに釜山港は引き下げるだけ」と述べた上で、「港の競争力はコストのみでない。いかに低コストで高水準のサービスを提供できるか。物流機能の拡充で高付加価値をつけたい」と語った。

 会見に同席した釜山・鎮海経済自由区域庁の鄭在和産業物流部長は、釜山を中心とした慶尚南道地区について、物流、流通、先端ハイテク、研究開発、教育、医療、観光・レジャー産業などを誘致、推進させる考えを語った。このための投資額は7兆7,000億ウォンという。
 J&Kロジスティクスの資料によると、中国などから日本(地方)向け輸入貨物の場合、釜山港経由では国内主要港揚げに比べ、1割強の物流コスト削減が図れるという。海上運賃はアップするが、国内配送料と保管料が安くなる。
 記者会見での秋社長とのやり取りは次のとおり。
 
BPAは韓国初のポート・オーソリティ。企業経営方式で、港湾の運営と開発に取り組む。同方式のメリットを生かし、船社や荷主へのサービス向上を図る。昨年、釜山港は台風に見舞われたが1,041万TEUを記録。今年は1,100万TEU超を見込む。1月に設立されたBPAとして、日本で初めて神戸でセミナーを開催することになった。今回の訪日が神戸港にとってもメリットを生み、かつ両港の協力、活性化の契機になることを期待する。
 
現在、2011年の完成を目指し、釜山新港を建設中。全体で計30バース、年間処理能力804万TEUを想定。技術革新で処理能力はさらにアップすると思う。後背地に物流団地を整備し、物流企業誘致を計画している。欧米、アジアの物流企業も想定しているが、りわけ日系の物流企業進出に期待する。三井物産が進出を決めたが、釜山港に対する関心の表れと思う。さまざまな地域の物流企業から問合せが来ている。釜山港は、日本をほぼカバーする約60港とフィーダーの定期路線を持っている。日本の輸入物流は釜山港を利用することで効率的、かつコスト削減効果がある。今年、日本向けトランシップ(T/S)貨物は、対前年比で25%も増加している。
 (神戸港との協力やスーパー中枢港湾に関する質問に対し)釜山新港や物流団地が稼動すれば、釜山港の貨物量もさらに増え、大消費地を擁する神戸港にとってもプラスになると思う。スパ中計画には関心を持っている。みなと総局によると、計画はまだ初期段階で大きな変化はないという。日本港湾がスパ中計画で競争力をつけることを期待する。
 
(今後、釜山港の港勢が低下することは考えられないかとの質問に対し)貨物量の安定的持続が重要と思う。釜山港の貨物量は6割が輸出入で、T/S貨物は4割。シンポジウムは8割がT/S貨物。つまりは他港に比べ、安定的に推移するとみられる。T/S貨物の安定確保への努力が重要だ。長期の視点で言えば、物流機能の拡充で高度な付加価値をつけたい。問題はBPAや釜山港が、利用者ニーズをどう満たすかにかかっている。

●釜山港利用の物流改善セミナー  40型1本で14万円削減のケースも
 公社首脳、日本物流への貢献を強調

 釜山港湾公社と釜山・鎮海経済自由区域庁は4日、神戸市内で荷主や物流関係者など200人以上を招いて、「釜山港を利用した物流改善セミナー」を開催した。公社の秋俊錫社長があいさつし、「日韓の自由貿易協定が結ばれようとしており、未来志向の良い刺激になると期待している。われわれは物流団地への進出を願っており、日本の物流に貢献できるよう最善を尽くしたい」と語った。
 釜山新港・物流団地のFTZ(約120万u)は、1期開発(7万u)が来年、2期開発(42万u)が再来年完成する。それぞれ完成半年から1年前には、進出事業者の選定を終える。日本荷主を含む日韓関係者の講演要旨は次のとおり。
<陳奎昊・釜山港湾公社マーケティングチーム=東北アジアのゲートウェー、釜山港>

 東北アジアのゲートウェーとなっている。今年の物量は1,120万TEU以上になる見込み。フィーダー航路は日本は60港、中国とは45港と結ばれる。昨年はトラックドライバーのストがあったが、4月には労使政が「平和共同宣言」を行っており、今後、ストなどの行為はない。港湾施設使用料にはボリューム・インセンティブ制を導入。年間T/S貨物量の対前年比3%以上の増加や、同貨物量の年間3万TEU以上の増加が対象。今年は8億円、来年は9億円の減額見込み。さらに多様なインセンティブ策を検討中。また、T/S貨物の入出港料は昨年10月から100%免除。今年の免除予想額は9億円に上る。
 釜山新港の北側コンテナターミナルのうち、2005年、2006年末には各3バースが完成する。背後には物流団地約300万uを整備。このうち、約120万uが今月FTZの認定を受ける。低廉な賃料のほか、法人税は3年間無税といった税制面の優遇措置がある。日本向け貨物の場合、釜山港経由では最大30%の物流コスト削減が図れる。釜山港経由ではコスト削減に加え、リードタイム短縮やジャスト・イン・タイムが実現できる。
<近藤良雄・コスモス・マリタイム社長=船社から見た釜山港利用のメリット>
 IT化により、入出港やカーゴトレース情報などが平易に入手できる。さらに釜山港の貨物量は増える。年間の休みは2日間だけ。利便性の高い、釜山港をハブとした物流は経済原理に適っている。来年、日韓のFTAが締結見通しにある。
<朴相徹・釜山鎮海経済自由区域庁産業物流チーム
 =同経済自由区域内・新港物流団地の投資環境>

 同区域には物流から先端産業クラスターの形成を図る。年間賃料45円/uや税制での優遇措置などを売りの一つに誘致する。釜山新港・南側ターミナル(11バース)は、このうち7バースを民間投資事業とし、推進はBuild-Transfer-Operate方式で行う。
<加藤克美・CGCジャパン取締役=釜山港を利用した物流改善事例>

 当社は日本最大の共同仕入れ機構。グループ総年商は3兆4,224億円(総企業数221社・総店舗数3,283店)。輸入量は2002年が3,859TEU(地方港経由467TEU、主要港経由3,392TEU)、昨年は3,806TEU(同489TEU、同3,317TEU)。運賃負担力の低い貨物が多いため、物流コスト削減は重要課題だ。
 中国から40フィートコンテナで輸入する場合、@青島港/釜山港/石狩湾港/札幌市内 A青島港/釜山港/広島港/広島市内 B青島港/釜山港/水島港/赤穂市内−の各輸送では、主要港利用に比べ、@で14万円、Aで5万円のコスト削減(1TEU当たり)を実現。この14万円は従来比32%減。海上運賃がアップしても、国内輸送コストが削減できている。ただ、Bの場合は、神戸港利用の方が5,000円安い。また、チリ産のサケを釜山で切り身に流通加工した輸入も始めた。スーパーでの人手不足やゴミの発生防止にも役立つ。コスト削減と効率化に向けては、荷主/国際物流業者/輸入者とのパートナーシップの強化が重要だ。

 
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2004年11月8日(月) 日本海事新聞掲載
神戸・物流セミナー  船社・荷主が利用メリット強調〜釜山港
民の手法生かしサービス向上 
「神戸と連携強化」に意欲〜釜山港湾公社社長会見
コスト競争に自信  神戸で物流セミナー



 釜山港湾公社(BPA)の秋俊錫社長は4日神戸市内のホテルで会見し、1月に発足したBPAについて「政府主導だった港湾管理に企業経営の方針を取り入れた。企業経営方式のメリットを生かし、船会社や荷主のために、サービス向上を図っていく」と意欲を示した。釜山港初の単独セミナーを神戸で開くことについては、「神戸は日本を代表する港。神戸と釜山の連携を強化したい」と述べた。
 連携の具体策については「完成予定の新港後背地に企業誘致が進めば、神戸のためにもなるはず。神戸は大規模消費地に近く、(釜山からの輸入貨物の増加で)神戸港の荷動きも活発化することになる。夢を見据えて活発に交流し、共に発展の道を歩みたい」と期待を込めた。
 さらに「釜山港の取扱貨物の内訳は6割が国内向け、残りの4割が積替えなどのトランシップ貨物だ。積替え貨物を安定確保して最善を尽くせば、両港の機能分担も安定するとみている」と述べ、神戸・釜山両港の機能分担で、すみ分けが図れるとの見通しを語った。
 スーパー中枢機構に指定された神戸などが「釜山並みの利用コスト」を目標にしていることについて、秋社長は「港湾の競争力は低いコストと高いサービスだ。港湾コスト削減に制約のある神戸が、さらにコストを下げるのであれば釜山もさらに値下げに取り組まざるを得ない」と話し、コスト削減には削減で対抗するとの強い姿勢も示した。

 
コスト競争に自信
 韓国・釜山港をPRする「釜山港を利用した物流改善セミナー」が4日、神戸・ポートアイランド内のホテルで開かれ、関西地区の物流関係者や荷主企業などから200人が参加した。釜山港単独のセミナーを日本で開くのは初めて。
 BPAの秋俊錫社長は同港のコスト競争力に自信を示し、整備中の釜山新港のハブ港としての機能拡充や、後背地の物流団地の経済自由区域指定などの開発計画を紹介し、日本の物流企業や荷主企業の参入を促がした。
 釜山新港は釜山港の西25`の場所で整備中で、コンテナターミナルは30バース、荷役能力は804万TEUを見込む。2005年、06年にそれぞれ3バースずつ(計6バース)が完成する予定で、11年までに全30バースの供給が始まる。
 隣接する物流団地(307万平方b)では、中国・上海を下回る土地賃貸料の安さや税制面での優遇策などの利点を挙げ、日本の物流企業や荷主企業の進出を呼びかけた。
 昨年問題になった2度の港湾ストについては、「港湾を含むトラック運転者のストであり、労使と政府間ですでに合意している」と完全解決を強調した。
 同港は韓国内の全コンテナ貨物の80%を扱い、トランシップ貨物の中継基地として取扱量を伸ばし、昨年のコンテナ取扱量は1000万TEUで世界4位。今年は1100万TEUの取扱量を見込む。
 現在、日本の60港、中国45港との間にフィーダー航路網を持つ。さらに「釜山が100とすれば、神戸が277、横浜は263」という港湾コストの競争力も強調した。朝鮮半島で南北の鉄道網が連結すれば、中国経由でロシアやEUとも鉄道でつながり、東北アジアのゲートウェーとしての機能も期待できるとしている。

 
船社・荷主が利用メリット強調
 
韓国の釜山港湾公社(BPA)と鎮海経済自由区域庁が4日、神戸市内で開催した「釜山港を利用した物流改善セミナー」で、利用船社や荷主企業が講演し、ハブ港としての同港の利用メリットなどを強調した。(8日付2面一部既報)。
 BPAの秋俊錫社長はあいさつの中で、「日韓で自由貿易協定が結ばれようとしており、未来志向のよい刺激になると期待している。物流団地への日本企業の進出を願っており、日本の物流に貢献できるよう、最善を尽くしたい」と述べ、神戸港をはじめ日本の港湾・企業との連携に期待を示した。
 これを受けて、講演したコスモスマリタイムの近藤良雄社長は、高麗海運の日本総代理店の立場から「船社からみた釜山港利用のメリット」として、IT(情報技術)化が進み、入出港やカーゴトレースの情報入手が容易な点を挙げた。さらに、「1年363日(年間休日2日)24時間稼動が可能で、利便性が高く、釜山港をハブとする物流は経済原理にかない、優位性を持つ」と強調した。
 荷主の立場からはCGCジャパンの加藤克美取締役が「釜山港を利用した物流改善事例」について講演。「物流コストの負担力の低い、食品の共同仕入れ機構である当社にとって、コスト削減は重要課題」とした上で、釜山港利用のコスト削減効果を説明。
 同社では「中国から40フィートコンテナで輸入する場合、国内主要港を利用するより釜山経由で地方港に輸送した方がコストを削減できる。国内の流通小売業の事情も変わり、ゴミ処理や人手の問題で、サケの加工は店舗ではできない。釜山で加工し、製品化したものの輸入を始めた」という。今後のさらなるコスト削減については「荷主と国際物流業者、輸入者とのパートナーシップが重要」と述べた。
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2004年11月5日(金) 神戸新聞掲載
韓国・釜山港 コスト競争、自信
ライバルの神戸でPR


 世界四位のコンテナ貨物取扱量を誇る韓国・釜山港をPRするセミナーが四日、神戸・ポートアイランドで開かれた。
 同港は、国土交通省の「スーパー中枢港湾」に指定された神戸港など日本の三港湾のライバルだが、主催団体のひとつである釜山港湾公社の秋俊錫社長はコスト競争力に自信を示し、新たな開発計画などを紹介した。
 秋社長ら十人が、港湾関係業者ら約二百人に、釜山港の現状や経済自由区域の計画などを説明。日本の港を使うよりも釜山港経由の方が物流コストを削減できた例や、整備中の釜山新港(三十バース)や物流団地を紹介した。
 約三百万平方bを造成する同団地では、土地賃料の安さや税制面の優遇策などの利点を挙げ、物流企業の進出を呼び掛けた。昨年問題になった港湾運送労働者のストライキについては「労使、政府の間で合意した」と解決を強調した。
 同港は韓国内の全コンテナ貨物の80%を扱うほか、積み替え貨物の中継基地として取扱量を伸ばし、昨年は神戸港の約五倍の規模となった。
 スーパー中枢港湾に指定された神戸港などは「釜山港並みの利用コスト」を目標としているが、秋社長は「神戸港がコストを下げるなら釜山港も下げる」と話す一方、「神戸港とは活発に交流し、互いに発展するよう歩みたい」とも述べた。
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2004年7月12日(月) Shipping Guide掲載
韓国海洋水産部が東京で投資説明会
釜山/光陽での港湾物流団地進出求める


 韓国海洋水産部などの主催で韓国の釜山/光陽港の港湾物流団地投資環境説明会が9日に東京都内のホテルで催され、300人を超える日本の商社・メーカーや物流企業からの参加者を前に海洋水産部のジャン・スンウ長官(大臣)がトップセールスを展開し「開発中の釜山、光陽港の限りないポテンシャルに注目して欲しい」と語り、日本からの積極的な投資を呼びかけた。6月23日に自由貿易地域(FTZ)に指定し7月2日から進出募集を始めた釜山・甘泉地区をはじめ光陽、釜山新港へと順次開発が進むなかで進出する外資に優遇措置を講じることで「ビジネス展開にあたって物流コストが画期的に下げられる」などと述べ、「日中韓の物流拠点として韓国が頼もしいパートナーになることを約束する」とアピールした
 続いて釜山・鎮海経済自由区域庁の張秀萬庁長が、当初の甘泉地区で0.1平方キロ(4万坪)を平方メートル当たり170円の水準で年間賃貸料を設定し提供すると説明。さらに新港では物流および支援用地合わせて3.1平方キロの背後物流団地を510億円投じて整備中で、06年早期には0.7平方キロを供給、年間賃貸料は平方メートル当たり45円と他主要港の10分の1と破格の安さで誘致するという。
 続いて光陽湾圏経済自由区域庁の白玉寅庁長も港湾物流団地を04年に34万平方メートル(平方メートル当たり年間賃貸料36円)提供、06年に195万平方メートル造成完了などの計画を示す一方で港湾利用料もトランシップ貨物20万TEU以上などに一定期間80-100%低減などのインセンティブを呼び水に、まずは進出をと、積極的に働きかけた。
 また海洋水産部と提携した日本のJ&Kロジスティクスの原瑞穂社長が釜山/光陽をハブとする地方港向け物流改善案を提示、蘭の大手倉庫、Steinweg社の投資事例(4月に2,000万ドル投資しLME倉庫など展開)も紹介した。

■下関港と光陽港が相互協力で合意 効率化/利用促進へ連絡会議設置
 下関市江島潔市長は9日、東京で韓国コンテナ埠頭公団(KCTA)の程伊基理事長との間で下関港と光陽港の利用促進に関する相互協力の合意書に調印した。これに基づき港湾の相互発展に向けた支援策などを協議する「光陽港・下関港の利用促進および物流効率化促進連絡会議」を共同で設置することも決め今後早期に具体的な方針を検討することにした。
 両港の取り組みは利用促進と物流効率化の共通テーマを相互支援することが第一点。さらに光陽港はコンテナターミナルはじめ物流団地など港湾の開発が進んでいるのに対し、下関港も同様に沖合人工島の多目的国際ターミナルおよぴ゛後背用地が開発されていることで共通点があり、これを睨んで双方で投資促進を支援し合う。
 下関港は釜山との間で関釜フェリーなどが週7便/コンテナ航路同10便が就航、光陽港とは週1便のコンテナ航路があるが光陽港についても江島市長は「下関は年中無休の港であり、韓国とも強いつながりがあることを強調しながら協力関係を深めたい」とし、程理事長も「下関港との物的、人的交流へ最善の努力をしたい」と話した。
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2004年7月9日(金)日経産業新聞掲載広告
日経産業新聞フォーラム2004
「北東アジア・ロジスティクス・フォーラム

日中韓経済圏の物流拠点としての韓国
早期締結へ期待高まる 北東アジア自由貿易協定


 ダイナミックな物流改革で日韓の新しい関係を築こうと、「北東アジア・ロジスティクス・フォーラム〜日中韓経済圏の物流拠点としての韓国〜」(主催 : 日本経済新聞社)が東京で開催された。今後の日本企業にとってロジスティクス戦略はますます重要度を増している。北東アジアにおける自由貿易協定(FTA)締結の可能性はあるのか、SCM(サプライチェーン・マネジメント)など物流効率化への戦略とは何か、さらに物流拠点として注目を集める韓国の釜山・光陽港の優位性とは---。深川由起子東京大学教授、李廷旭韓国海洋水産開発院長による基調講演の後、パネル討論では北東アジアの広域的視野に立ったロジスティクス・イノベーションについて、活発な議論が交わされた。

■基調講演T 東京大学大学院 総合文化研究科 教養学部教授 深川由起子氏
  〜厚い産業基盤や人的資源生かすFTA実現を〜
 経済のグローバル化が一段と進む中、FTAが増えている。日本、中国、韓国を中心とする北東アジア地域は欧米に比べ取り組みに出遅れたが、中国の急速な経済発展を背景にその動きが活発化してきた。
 日本の2003年対中貿易シェアは1990年に比べ12ポイントアップし16%に躍進、欧州連合(EU=14%)を追い抜いた。韓国は03年から中国が最大市場で、直接投資でも件数の六割が中国向けとなるなど、日中韓三国の経済関係は確実に深まりつつある。
 北東アジアは生産拠点、技術市場、人的資源市場として高いポテンシャルを持ち、様々な分野で補完し合える。貿易や投資法制などの整備が進めば、ビジネスを多様に展開できる魅力が増す。
 経済統合は、隣だから仲良くしようというスローガン的なものを超え、既に「現実」になりつつある。日本では高齢化が進み若い人の理工系離れが続く。アジアの優秀な頭脳が活用できれば研究開発に違う発想を取り込めるし、この地域に欠けがちな信頼醸成につながる。厚い製造業基盤、国際分業ネットワークがあるため、物流を整備、SCMを活発化する意義は大きい。日本は文化、観光、医療・福祉などでこの地域を後背地として確保したい。
 三国にはFTAに向けた戦略に違いがある。中国は世界貿易機関(WTO)加盟後、強い政治性とリーダーシップを発揮し東南アジア諸国連合(ASEAN)と交渉に入った。他方、日本は行政主導できちんとした制度的枠組みを志向。ASEAN3(フィリピン、マレーシア、タイ)と交渉に入り、すでに締結しているシンガポールに韓国を加え、高い水準の市場統合も視野に入れた準備を進めている。覇権的に考えるより、制度面での日本の知恵と着実さが中国の政治的ダイナミズムと建設的に組み合わさることが望ましい。
 輸送や倉庫保管、情報、金融など複合的な性格を持つ物流での総合的協力はプレFTA演習の性格を持つ。韓国は物流を国家戦略に位置付け、規制緩和と釜山港や仁川空港などの国際自由都市に集中投資を行い、外資誘致を進めている。電子通関システム(EDI)などソフト面への取り組みに積極的だ。
 日本はSCM支援として、ICタグの活用などリスク管理の強化を打ち出している。アジアではトップのハード、ソフトの優れたインフラを持つ日韓が協力し、物流コストを下げられるなら、域内の貿易は拡大する。すぐ横に膨大なポテンシャルを持つ市場がある。受け身ではなく、戦略的にFTAに取り組む姿勢が重要だ。

■基調講演U 韓国海洋水産開発院長 海洋水産部 政策諮問委員会諮問委員 李廷旭氏
  〜SCMの最適化図り国境のない物流体系創出へ〜
 世界の貿易額が20年前に比べ3.5倍に伸びる中、世界のコンテナ取扱量は実に5.5倍以上の伸びを示している。これは主にコンテナを利用する製造業市場のグローバル化を表しているが、一方で企業間の競争が激化し、勝ち残るためには、新たな経営パラダイムの構築を迫られている。
 その中心的なファクターが、SCMの最適化である。SCM構築の重要性は1990年以来、多くの経済学者や経営者が指摘してきたとおりだが、グローバル化が進展する中で一段と重要さを増している。
 もう一つのファクターが域内の経済交流だ。米国を中心とする「北米自由貿易協定(NAFTA)経済圏」、西ヨーロッパ中心の「EU経済圏」とともに、日本、中国、韓国を中心とする「北東アジア経済圏」も着実に成長している。日中韓三国を合わせた国内総生産(GDP)は2008年に世界の20%を占めると予測されている。
 北東アジアでの域内貿易や投資比重は、通貨危機のあった97年を境に上昇を続けており、中国、韓国の消費市場も高級品需要が拡大するなど変化している。
 FTA締結への動きも活発化してきた。02年11月、日中韓首脳会談で中国の朱鎔基首相が三国間のFTAを提案、03年10月には小泉純一郎首相と廬武鉉大統領が日韓FTA締結に向けた具体的交渉を始めることで合意している。さらに北朝鮮や極東ロシアとの経済協力も着実に進んでおり、北東アジア全体の市場統合も視野に入ってきた。
 次に北東アジアにおける物流体系について、その現状と問題点を見てみよう。域内での交易、投資面での協力関係がより密接になっているのに対し、法整備の遅れ、煩雑な通関手続きなどを含めて、物流インフラの不足が指摘されている。物流関連ソフトや慣行の違い、また港湾利用の自国優遇などの問題もあり、物流企業の参入を制限する規制がいまだに多く存在している。
 具体的な物流協力として、日中韓三国それぞれの強みを生かした、国境のない最適条件の北東アジア物流体系(SCM戦略)を構築することが検討されるべきだろう。
 物流マネジメントの戦略において、韓国の港が持つ強みを紹介したい。自由貿易地域に指定された港湾(釜山・光陽港)は低コスト、24時間荷役、港湾隣接団地での国際物流センター設立など、メリットは大きい。
 日本の重要港湾は112だが、韓国の船会社はそのうち53の港に寄港している。釜山・光陽の二港を起点にすれば日本の国内物流に効率的配送をもたらすことになる。

■パネル討論
 三星物産(サムスングループ)副社長 李洙侮=C 野村総合研究所 上席コンサルタント 石井伸一氏
 日本郵船 取締役 平野裕司氏, 大韓民国海洋水産部 長官政策補佐官 李龍雨氏
 J&Kロジスティクス 代表取締役社長 原瑞穂氏
 李(洙)  北東アジア域内の交易は年平均16%ずつ伸びている。日中韓三国は互いに主要な貿易相手国となり、相互補完的な関係を築きつつある。北東アジア域内の物流を効率化することは、日中韓の経済成長を支えるインフラとして重要だ。
 物流を効率化するためには、日中韓三国の協力関係が不可欠。物流に関する共通の仕組みづくりはもちろんだが、究極的には域内貿易を自由化する必要がある。
 物流効率の妨げとなっている通関や政府規制について、韓国側から日本に対して不満が出ている。まず、日本の通関は期間やコストについて不透明性が高く、引渡し時期や販売時点の予測を困難にしている。税関で行われる成分分析は、その手法や結果が非公開で客観性に欠けている。港費や導船費など船舶の入港コストも高い。東京や大阪の入港コストはほかの港に比べ2-3倍だ。こうした課題は早急に改善して欲しい。
 物流の標準化に取り組む必要もある。EDIシステムによる効率化を目的に、日韓両国が法制や文書の標準化、認証について共同研究を加速させる必要がある。その後で日中韓三国へフォーマットを拡大する。
 また、日韓両国が共同管理する物流特区を指定して税制上の特典を設け、物流、通関、検査などを標準化。モデル的に運営するのも一つの方法だろう。
 
石井  北東アジアの物流には三つの論点があると思う。まず貨物量の増加が多頻度、多方面の物流を生んでいるということだ。これまでの輸送や保管の概念を変化させ、新たなロジスティクスを構築するチャンスだ。
 次に諸手続きの迅速化、簡素化。日中韓は地理的に近く、航行は1-2日だが、手続きに時間を取られ、海上輸送の単位は一週間だ。最後は港湾利用手続きの標準化。政府間で共通の制度的枠組みをつくるだけでなく、民間企業が利用できる共通の情報技術(IT)インフラを整備する必要がある。
 日中韓のGDPは東南アジア諸国に比べて圧倒的に大きい。北東アジア経済圏のダイナミズムは東南アジアの比ではない。近い将来、世界市場の約三割を占める時代が来ると思う。
 韓国や中国のコンテナ取扱量もここ10年で10-20倍に増え、釜山港や上海港では一港で1,000万個近い。貨物量が増えた事で、これまで主流だった5,000個積みを大きく上回る8,000-10,000個積みの超大型コンテナ船が登場するだろう。それにより寄港地パターンの変更や航路ネットワークの複雑化などが起こり、荷主の物流を大きく変えていくはずだ。ITを活用して貨物を可視化するといった新たなサービスも生まれるだろう。

 
平野  2003年の実績によれば、アジアから北米へのコンテナ輸送実績は約1,000万個。日中韓三国は実にその74%を占めている。
 一方、三国間での荷動きを見ると、500万個という非常に大きな数字になっている。
 北東アジアの物流を考える際、域内、域外の両面からとらえたい。2003年、韓国の釜山港では1,037万個のコンテナを取り扱った。これは日本全体の取扱量に匹敵するが、実は日本と韓国全体の取扱量を比べても大差ない。韓国は釜山エリアに貨物が一極集中しているのに対し、日本は全国の港に分散しているからだ。
 韓国では一極集中による用地不足やサービス面の窮屈さ、日本では投資が分散するため施設の利用料が割高になるという課題が生まれるが、すでに解決へ向けた取り組みが進んでいる。
 大陸側から日本海を眺めると池のように見える。この環日本海という視点が、北東アジアの物流を考える際に重要になる。現在、日本海に面した国内の港から韓国向けに輸送している船会社は十数社、配船数は実に年間延べ4,300隻に上っている。日韓関係は競争を超えた協業の視点から考えるべき事態に入ってきた。
 韓国はヨーロッパと地続きだ。陸上輸送を含めると可能性は無限に広がる。単なる荷主代行ではない、グローバルなロジスティクスを扱うフォワダー(運送業者)の存在が求められる。
 
  国際物流に携わっている者として感じるのは、調達から供給に至るすべての局面で、最適な物流を行うためのデータが欠けているということだ。中国の複数の生産地から日本の複数の納品先までを最適なルートで配送したい場合、どんな船があり、いつ到着するのかについて、使いやすいデータが整備されていない。釜山港や光陽港に集約した荷物を日本国内に配送する場合、最も効果的なのは小口物流だ。国内であれば自動的な貨物追跡システムが整備されているが、国際的なITの仕組みがまだ整備されていない。標準化の問題がネックとなっている。
 
石井  国際海事機関(IMO)が税関や検疫を簡素化するための定型文書を提案している。それをベースに日中韓三国で話し合ってはどうだろうか。書類の形式は標準化されても問題はない。運用上の課題はおのおのの国で議論すればいいと思う。
 
李(龍)  物流の迅速化や手続きの簡素化は、時間をどれだけ短縮できるかがポイントだ。韓国ではこの一年間で9.6日程度かかっていた手続きのリードタイムを7.5日まで短縮することに成功した。今年末には5日まで短縮する計画だ。
 この改革のため、釜山港では24時間の通関体制を敷いた。仁川空港でも7月1日からモデルケースとしてスタートしている。インターネットを使った輸出届け出システムの構築も進行中だ。
 韓国の通関業務はEDI化されている。問題は日韓の通関システムをどう一本化するかだが、すでに日韓貿易関連EDI網を統合するプロジェクトがスタートしている。国際標準を採用したEDIシステムなので、技術的には問題なく統合できる。
 また、港湾自由貿易地域に指定された港では、法人税の免除といった税制上の特典を受けられるほか、通関手続きの大幅な簡素化も行われる。隣接エリアを経済自由区域に指定して生活者の便宜を図るほか、外国人専用の学校や病院なども整備する計画だ。
 今年すぐに企業の入居が可能なのは釜山甘泉港と光陽港の物流団地。釜山甘泉港では13万平方bの物流団地を最長50年にわたり、一平方b当たり年間180円程度で賃貸する。賃貸料は上海港と比べると約四分の一程度。
 光陽港には33万平方bの物流団地がすでに造成されている。賃貸期間は最長50年で賃貸料は安く、一平方b当たり年間35円程度。光陽港には今後さらに195万平方bの物流団地が造成される計画で、事前に賃貸契約を結ぶ事もできる。このほか、釜山新港には最終的に122万平方bの物流団地が造成される。
 よく港湾ストライキを心配する声を耳にするが、今年4月に港運労組、韓国港湾物流協会、韓国政府の三者で「平和共同宣言」を発表し、安定的な港湾運営を保証することを確約した。韓国の港湾は労使協調であると信じていただきたい。
 
  日本の物流の変化と課題について整理したい。アジアからの消費財の輸入が増えているが、主要港に集中しており物流の効率化を妨げている。物流の小口化が進んだことで国内の物流費用も増大。さらに窒素酸化物などの排気ガス規制が進むなど、荷主、物流企業の双方が高コストへの対応を迫られている。
 こうした課題への対応策として、釜山港、光陽港の活用が浮上してくる。出荷地が多い荷主の物流は、釜山港、光陽港経由にするとどの程度の効果があるか試算した。12%のコストダウンだ。日本の地方港を利用するため国内の配送距離を短くできる。効率的で、環境にも配慮した物流だ。
 
李(洙)  韓国の港湾は地理的に優れているだけでなく、釜山港や蔚山港は超大型船舶の停泊が可能な、地形的な優位性(Deep Sea)を持っている。ヨーロッパからの大型船を停泊できるのは大きなメリットだ。周辺アジア諸国と比べて港湾コストも安く、品質管理や在庫管理もしっかりしている。釜山港、光陽港の港湾自由貿易地域に日韓共通の物流システムを導入すべきだろう。
 
李(龍)  一つの事例を紹介したい。中国各地で生産した家電製品を中央アジアやロシア、ヨーロッパに販売している企業では、製品を韓国の物流センターに集約した後、シベリア横断鉄道を利用して最終消費地へ配送している。中国各地から海運でヨーロッパへ輸送するよりも輸送距離や時間を短縮でき、物流コストも大きく節減できている。韓国を活用することで物流コストを下げ、より効率的なシステムを構築した。日韓の企業が港湾自由貿易地域を活用すれば、最適な物流システムを構築できる。
 
  SCMは調達から保管、加工、末端への配送までをいかに管理するかということだ。その中で物流コストやサービスの改善を考えた場合、釜山港、光陽港には大きな魅力がある。東京や大阪の配送センターに加え、釜山港、光陽港という第三の配送センターを持つことで、国内の最適な港を利用した迅速、低コストな物流を実現することができるからだ。
 
石井  SCMの本質はコストを下げることではなく、機会損失を招かない事だ。どの港を使えばもっとも安く、ニーズに合った物流を組み立てられるのか。十分なITインフラや航路ネットワークがあるかどうか、貨物の状態が把握できる物流施設かどうかなど、一定の基準を持って各港を比較する必要がある。釜山港、光陽港が重要な選択肢であることは間違いない。
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